前回は、ネクストジャパン退任後に心が壊れかけた私が、石垣島にたどり着き、読書によって少しずつ自分を取り戻していくまでをお話ししました。
今回は、石垣島での日々の続きです。数百冊の本を読み漁る中で出会った、私の人生を変えた「ある方程式」と、アンビシャスの根底にある「考え方」の原点についてお話しします。
本を読み、泳いでは、ビールを飲む生活

とはいえ、島には小さな本屋が1軒しかありませんから、片っ端から買い、読み漁っていたところ、あっという間に読む本がなくなってしまいました(笑)。
当時はまだAmazonもない時代。
一度大阪に戻り、大型書店で買い物カゴ2つがパンパンになるほどの本を買い込み、段ボールに詰めて石垣島に送り、また島に戻って、ひたすら本を読む。
ホテルのプールサイドで本を読み、気が向いたら泳ぎ、上がってきたらビールを飲んで昼寝する。
そんな日々が1か月ほど続きました。
時には、波照間島まで足を延ばすこともありました。自転車で島を一周し、木々の茂みの中にある小さな入り口から海辺に降りていくと、突然目の前にバーンと海が広がる。
ある日、誰もいないプライベートビーチ状態で、気持ちも開放的になり、思わず服を全部脱いで、裸で海に飛び込みました。
しばらく泳いで戻ってきたところ、老夫婦がこちらを眺めて座っていました。
「え、いつからいらっしゃいました!?」
「あなたが来る前からずっといましたよ(笑)」
そう、服を脱いで裸で泳ぐ一部始終をすべて見られていたんです(笑)。
恥ずかしさでいっぱいになりましたが、こんなハプニングも今となってはいい思い出です。
読書により「考え方の土台」となるものができた
石垣島で数百冊の本を読み続けていくうちに、次第に自分の中に「考え方の土台」が出来上がっていきました。
中でも今も自分の考え方のベースになっているのが、京セラ創業者の稲盛和夫さんの方程式です。
「人生・仕事の結果 = 熱意 × 能力 × 考え方」
このポイントは「考え方」が最も大事だということです。
いくら能力が高くスキルを持っていても、自分の利益ばかりを優先し、不誠実な考えや歪んだ思考を持っていては、決して成功できません。
また「楽をして成果を得たい」「相手を騙したり、嘘や隠し事をしたりして上手くやろう」といった利己的な姿勢では、一時的に結果が出たとしても、長続きしません。
能力やスキルの前に、根本となる考え方が何よりも大切。
それも、「正しい考え方」を持つことが大事だということです。
私が今、アンビシャスで、社員のみなさんに「考え方」の大切さを事あるごとにお伝えしているのも、まさにこの時の学びから来ているのです。
人間、ノウハウやスキルだけでは乗り越えられない壁がある。自分を支え、進むべき道を照らしてくれるのは、心の根底にある「考え方」なのだと、身をもって知ったからに他なりません。
こうして石垣島で貪るように本を読み漁り、少しずつ自分自身を取り戻しながらも、私は同時に、アンビシャス創業に向けた準備を少しずつ、着実に進めていきました。
ーー石垣島での読書を通じて、「正しい考え方」という一生の土台を手に入れた私は、いよいよ本格的にアンビシャス創業へと動き出します。
次回は、「100人の社長をつくる」という志が生まれた経緯と、なぜトランクルーム事業だったのかーアンビシャス誕生までの道のりをお話しします。